【包括申請】（飛行許可申請）について　その①

2025年2月14日

今回は、ドローンを飛行させるための国土交通省への申請として、最もポピュラーな「包括申請」についてご紹介します。

包括申請とは、特定の場所や日時ではなく、一定の期間と地理的範囲の中で、ドローンを同目的で複数回飛行させるための事前許可を簡略化するための制度です。

本来はドローンを飛行させる際に、飛行ごとに国土交通省に許可申請を行う必要があります。しかし、包括申請を利用すれば、一定期間内（最長1年）の飛行計画をまとめて申請できるため、許可申請の手間を大幅に削減できます。

＜包括申請のメリット＞

手続きの簡略化:
- 　個別申請に比べて、申請手続きが大幅に簡略化されます。「天候不良などで飛行日を変更する」、「顧客からの急な依頼」などにも対応が容易になります。
許可期間・飛行:
- 　最長1年間の包括的な許可が得られるため、また飛行場所を広く設定することで頻繁な申請手続きが不要になります。＊飛行する場所や方法によっては別途許可が必要になる場合があります。あらかじめ国土交通省のホームページなどで確認をお願いします。
業務効率の向上:
- 　申請手続きや飛行計画の変更にかかる手間が減り、業務効率が向上します。
信頼性の向上:
- 　包括申請の許可を得ていることは、社会的な信頼性向上につながります。

＜包括申請の対象となる特定飛行＞

包括申請の対象となる特定飛行には、以下のものがあります。

包括申請は、以下の条件を満たす飛行が対象となります。

- 　・業務目的であること
- 　・飛行させる者が10時間以上の飛行経験があること
- 　・申請者が、ドローンの安全な飛行に関する知識と技能を有していること
- 　・ドローンの機体が、航空法の安全基準に適合していること
- 　・飛行計画が、航空法及び関係法令に適合していること

包括申請の手続き

包括申請の手続きは、以下とおりです。

包括申請の審査期間は、５～１０営業日が目安です。審査に合格すると、包括許可証が交付されます。包括許可証には、飛行期間、飛行範囲、飛行高度などの条件が記載されています。包括許可証の内容を遵守して、ドローンを飛行させる必要があります。

＜包括申請の注意点＞

- 　包括申請は、すべての飛行に適用されるわけではありません。包括申請で許可された内容と異なる飛行をさせる場合や包括申請では一部の飛行については、別途申請が必要です。

（例；飛行内容に夜間飛行、イベント上空での飛行や１５０ｍ以上の上空での飛行が含まれる場合には、個別申請が必要であり、審査に時間を要することがあります）

- 　包括申請の有効期間は、最長1年です。
- 　許可を得るまでに１０開庁日（約２週間）かかる場合があります。余裕をもって３週間前には申請を行うことをオススメします。包括申請等の飛行許可申請のためには、申請する機体が登録されている必要があります。あらかじめ機体の登録を行っておきましょう。（機体登録は早ければ１日で登録可能）
- 　初めて申請を行う場合には、余裕をもって１か月程度の期間を用意しましょう。
- 　実際に飛行させる際は、包括申請で提出した「飛行マニュアル」に沿った運航が必要です。特に人口密集（DID）地区での飛行の際は、30mの離隔距離や立入禁止措置が必要になるなど、「飛行マニュアル」を確認し、安全な運航に努めてください。
- 　その他、マナーやコンプライアンスを遵守した飛行を心がけましょう。

＜参考文献 ＞

国土交通省航空局ホームページ：https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html（注意）本コラムは、2025年2 月14日現在の情報で記載しています。一般的な情報提供を目的としたものであり、個々のケースにおける法的アドバイスではありません。無人航空機を飛行させる際には、必ず最新の法令や規則を確認するようにお願いします。

次コラムでは詳細な申請の方法を解説します。

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written by D.I.H